決戦の朝。5時には目が覚めた。しっかり準備していざスタート会場へ。
ランナーは15,000人。スタート会場はものすごい人。このスタート前の緊張感にはだいぶ慣れてきた。しかしあまりに天気がいいので気温が高くなりそうなのが心配だった。
そしていざ、スタート。今回はゆっくり走ってなるべく最後まで同じペースをキープしようと心掛けたが、それができたのは20㎞ぐらいまで。その後はとにかく暑さとの闘いになり、スタミナをどんどん奪われていった。
25㎞から35㎞ぐらいまでは意識が朦朧としていた。まるで夢の中で走ってるような感覚。これは熱中症になるかもしれないと何度も思った。とにかく次のエイドまで頑張ろう、という気持ちでエイドとエイドの間をつないでいった。
ありがたかったのはたくさんの応援。本当にたくさんの人があらゆる場所から応援してくれた。前半は市内をまわるので姫が2か所で応援してくれた。1か所は叔父さんも一緒に応援してくれた。そして後半のあと少しというところで義母が待っててくれた。ゴールの競技場前ではまた姫が待っててくれた。
応援というのは本当に不思議だ。あんなに疲労困憊だったのが、一瞬だがふっと楽になる。
今回は何度もリタイアしようかなと考えたほど苦しかったが、ぼろぼろになりつつもなんとかゴールできて本当に嬉しかった。ゴールの瞬間は泣きそうになった。
この大会はとにかくランナーにとって至れり尽くせりで、本当に感動した。たくさんあるエイドはもちろん、金沢の名物がたくさん用意してある「食べまっしステーション」は大いに賑わってた。ワシはあまり食べる余裕がなかったが、みんないろいろ食べてた。あんな余裕を持てるようになりたいとしみじみ思った。
ゴールした後の完走者へのお土産がまたすごかった。メダルとタオルだけで十分なのに、ドリンク、お菓子、鶏みそ、バナナなどなど。バナナは房だったから驚いた。ビニール袋ぱんぱんになって重かったほど。
市街地へ戻る無料シャトルバスの運行もスムーズで、疲れ果てたランナーには本当にありがたい配慮だった。
細かい気配りは数えきれないほどだった。なるほどこれが「金沢マラソン」の人気の理由だなと思った。本当にいい大会だった。
ホテルの大浴場で汗を流し、しばし休憩してから完走祝いをするためにいとこの寿司屋「なおき」へ。これがまた金沢に来る大きな理由の一つ。絶品の寿司と、今年一番おいしく感じた生ビールで完走祝い。最高の夜になった。
あんなに苦しんだのに、また来年も出たくなった。
来年は姫も出るらしい?
「完走」
苦しみも ゴールゲートで 消え失せる
蔵