この日記は全てノンフィクションであり、登場する人物・団体名などは全て実在のものです。
8月
8月31日(火)晴れ
「当世源氏物語」(谷崎潤一郎訳 源氏物語風)
 
宅建
 
住まいのイシダ」様にお伺いした時のことでございます。店長の后様が女官のF井にこう申されておりました。
「けふはひとつ宅建のお勉強をいたしませう。”納豆と五丁”と覚えなさい」
「それはなんでございませう」
F井は不思議そうな様子をしておりました。
「納豆の”な”は名簿の名(な)です。納豆の”とう”は十です。従業員名簿は十年保管しなければいけないといふことです」
「初めてうかがいます」
「五丁の”ご”は五年の五です。”ちょう”は帳簿の帳(ちょう)です。帳簿は五年保管しなければいけないといふことです」
「存知あげませんでした」
「もうすぐ試験といふのにさういふことでどうします。それでは次、”名古屋の兄ちゃん”」
「名古屋の兄ちゃんでございますか?」
「そう。名古屋の”なご”は七と五。流通機構への登録は専任媒介では七日以内、専属専任媒介では五日以内といふことです」
「兄ちゃんはなんでございませう?」
「兄ちゃんの”にい”は二と一。売主への報告は専任媒介では二週間に一回、専属専任媒介では一週間に一回といふことです」
F井は着実に知識を積み上げておられる店長の后様のご様子を見て、焦りを覚えているようでございました。

宅建の 受かるか否かは 運なりと
鉛筆ころがす お気楽F井

人の生き様はさまざまでございます。


夜、姫を迎えに空港へ。やっとこれで通常の生活パターンに戻れる。やっぱりなんとなく調子悪いのはリズムが狂ったせいだろうな。それと食べものだ。晩飯の心配しないでいいなんて幸せなことだ。
 
「語呂あわせ」
 
語呂あわせ それそのものは 覚えれど
なんのためかを 思い出ださず
 
8月30日(月)晴れのち雷雨
今日は「中国鍼灸院」さんでまた自転車の達人の方と一緒になったので自転車のことをいろいろと教わった。なにせ自転車暦27年、買った自転車の台数15台以上、オリンピック選考会に出たというツワモノだからなんでもご存知。アドバイスに従ってワシも来年あたり始めてみようと思う。まずは貯金しなければ!
呉先生も自転車始めるそうで一緒になっていろいろと質問されていた。呉先生はママチャリで箱崎から芦屋まで往復したというからもうすでにツワモノだ。
その方は本当に自転車が大好きで、鍛えるとか追い込むとかいう気魄ではなく、心の底から楽しんでいる様子がうかがえた。お話を伺っているとワシも早く始めたくてうずうずしてきた。

今日も夕方の雷雨はすごかった。部屋の窓から遠くに雷が落ちるのが見えた。おかげで気温がぐっと落ちたので夜は寝苦しくなかった。

「風」

夢にいたる ペダルをこいで 風になる

8月29日(日)晴れ
今朝は新宮町の健康診断に行ったんだが、ここで前代未聞のトラブルが発生。なんと、検査用のおしっこが出ないんだな。あれはほんのちょっとあればいいのに、そのほんのちょっとも出ないんだな。焦るとなおのこと出ない。いくら頑張ってもダメなので30分ほど休憩して、それからトライしてもまだ出ない。それで検査する人に許可を貰って一度帰宅し、無理矢理水分を大量にとって少し時間を置いてからまた戻ってトライしてようやく出た。いつも検査の時にじいちゃんとかがおしっこが出なくて困ってるのを見て、「じいちゃん大変やなぁ」と思っていたのにこんなに早く我が身になるとは思わなかった。なんでも今年の猛暑で水分が汗になって出てしまっておしっこが出ないという人は結構いるらしい。なんとも情けない経験をしてしまった。もっと水分とらんといかんな。

今日はしっかり宅建の勉強をして、夕方また庭仕事。毎週末庭仕事してるからきっと近所の人にはそれが趣味だと思われてるだろうな。必要にせまられてやってるだけなんだが。
そうやってると急に空が暗くなって雷が鳴り出した。草取りしながら、「今、雷が頭に落ちたらかなわんな。うわぁそんな死に方したくねー」とか一人で考えてると本当に落ちてきそうな気がしたのでそこで作業終了。

夜は寂しい一人焼肉!

「夕立」

夕立の 過ぎてつかのま 秋の風
 
8月28日(土)晴れ
今日は早朝から八女・星野村まわり。

江田建設」さんにお邪魔した時に今どきの新築建売の質の悪さが話題になった。そこでワシが「江田さんでは新築建売はしないんですか?」と質問したら、江田専務は「お客さんの気持ちの入ってない家は建てない」と答えられた。さすがホンモノは違うと思った。我が利益最優先のハウスメーカーからは一生聞くことができないセリフだ。「家はお客さんと話しながら一緒に作るもの」。まさにそうだと思う。

星香園」さんの和紅茶がなんと!プレジデント社の「dancyu」の企画「和紅茶特集」で全国の和紅茶の中から選ばれて掲載されることになった!「dancyu」に載るなんてめっちゃすごいじゃないですか!!と言ったら牛島さんは「そうなんですか?」と平然としていた(笑)。メディアや雑誌など意に介せずか。ここにもホンモノがいた。

不動産のトーカイ」さんでいつものように社長と園田さんとわいわいおしゃべりしつつ仕事して、「ブライダルミュージアム ビッビ」さんに寄って帰宅。今日は車の温度計が39度までなった。どーなっとんじゃ。もう暑いの飽きたぞ。

戸次染工場」さんにしつこく出入りしていた悪徳業者の追い出しに成功しつつある。それにしてもユーザーを騙して暴利をむさぼる気分ていうのはどんなもんなんだろう?ヤツらろくな死に方しないだろうな。

「悪徳業者」

手抜きして ずるして騙して 金儲け
自ら背負う 罪の重さよ
 
8月27日(金)晴れ
なぜかここにきてかなり忙しい。宅建の勉強に時間が割けない。日曜日は籠る必要がありそうだ。

今日は「松島商店」さんでワインを頂いたり、「戸次染工場」さんで黒豆ご飯を頂いたり、個人のお客さんにはスイカやパイナップルと”実り”の多い一日だった。
今日まわったお客さんは全てビッシリの仕事量で、7時過ぎに帰宅した時はへとへとだったが、持ち帰りの仕事も山のようにあったので夕食もそこそこにすぐにデスクワーク。何?この忙しさ。明日も忙しいでー。

只今姫は金沢へ里帰り中。キャリーの写真撮ってきてくれー。

「猛暑」

秋たちて 暦をわらふ 猛暑かな

8月25日(水)晴れ
暑いわ忙しいわでここ数日は熱帯夜も関係ないほど死んだように眠れる。今日もまたこれ書きながらウトウトしてる。

もうあと1週間で9月になる。今の家で夏を終えるなんて全く予想していなかった。一体いつになったら売れるのだろう?どこの不動産会社に頼めば売ってくれるのだろう?ダラダラと時間だけが流れていく。このままでは本当にヤバイことになる。
まぁ愚痴ってても始まらん。今はとにかく仕事と宅建の勉強に没頭しよう。そのうち運も向いてくるやろ。ここ数年の踏んだり蹴ったりもいい加減に終わっていい頃や。

「真夏日」

真夏日や 稲は実りて 独り言

8月23日(月)晴れ
旅行疲れの残る身体を「中国鍼灸院」の呉先生の鍼で治療。今日の先生作の詩はこれ。

「猛暑」

呉炳宇

蝉声稠処枝葉茂、(蝉の声集る処枝葉茂り、)
猛暑樹陰有涼風。(猛暑の樹陰に涼風有り。)
前進一歩若無路、(一歩前進してもし路無くば、)
退後半歩新道生。(半歩後ろに退けば新道生まれる。)

なるほどね。要するにがむしゃらに前に進んでもし行き詰ったら、半歩下がって周りを見れば突破口は見つかるということだな。時には後ろにさがることも大事。


今日は「ひわき医院」さんのパソコントラブルで緊急出動。3時間も先生と二人こうでもない、ああでもないといろいろ試してようやく問題クリア。でもこれで明日からの仕事に問題ないということで一安心。えらい感謝された。深刻なトラブルを解決できた後の達成感はたまらない。これが唯一この仕事の醍醐味。

「医者の気持ち」

パソコンの トラブル治して 感謝され
わずかにわかる 医者の気持ちか

8月21日(土)晴れ
今日は久留米の日。「ブオン リコルド」で一人ゆっくりイタリアンのランチを堪能。遅めに行ったせいか他の客がみんな先に帰ってワシ一人になり、窓辺で食後のコーヒーを飲みながら「帰りたくないのぉ」とまったりしていたその時!窓の外に見えるすぐそばの交差点でガシャーン!!!車2台が勢いよく衝突。おかげでまったり気分も吹き飛んでこっちまでビックリ。幸いどちらも怪我はなさそうだったが車はおそらくどちらも廃車だろうと思う。こんな静かな裏通りを飛ばして走るからこんなことになる。ワシも気をつけようと思った。
今日はその後も久留米で事故現場の横を通った。みんな暑さで集中力が切れてるのか?

夜、ふっと一所懸命に宅建の勉強をしてる自分に気付いて、「おーワシもやればできるではないか」と思った。こんなに勉強するなんて大学受験以来や。だが相変わらず模擬試験の正解率はひどい。

「事故」
 
緩む気合 人の事故見て 引き締める

8月20日(金)晴れ
車の温度計は昨日に引き続き39度。今年の残暑の「残」の字は「残酷」の「残」や。

アート建築工房」さんで社長がIパッドを自在に使いこなして仕事をしていたのを見て、なんとなく次の時代というものを感じた。きっとなんでもタッチパネルになるんやろうな。もうフロッピーが消えて数年になるけど次はキーボードとマウスが消えるんかな。
いやそれにしてもAPPLEのやることは毎回見事だ。猿真似のMicrosoftなど足元にも及ばぬ創造性だ。あぁこの仕事してないなら全部Macに変えるんだがなぁ。

先日、筋トレのホームページを紹介したらどこを見ていいかわからないと言われたので再度具体的に紹介。

ダイエット用 : http://www.cudan.ws/kinyo/diet/
コアトレーニング用 : http://www.cudan.ws/kinyo/core/
持久力トレーニング : http://www.cudan.ws/kinyo/stamina/index.html
小中学生用 : http://www.cudan.ws/kinyo/junior/
40代用 : http://www.cudan.ws/kinyo/around-40.html
高齢者用 : http://www.cudan.ws/kinyo/colum2008/younger-1.html

鍛えろ!鍛えろ!誰に勝つよりもまず己に勝て!

あ〜昨日のトレーニングで腕があがらん・・・。

「己」

越えがたき 敵は己の 内にあり
 
8月18日(水)晴れのち雨

熊の子見ていた かくれんぼ
お尻を出した子 一等賞

・・・か。何回聞いてもわけわからんな。

参考 : 「何故お尻を出した子が一等賞なのかを考える

今日も暑かった。夕方の雨でちょっと救われた。
体重測ったらやはり少し痩せていた。京都であれだけの汗を流したからな。少しは痩せるやろう。だが例年の夏ほどは痩せない。多分筋トレで逆に体重が増えたからだろう。今日も負荷をかけた腕立て伏せをして、今この日記書くのもつらいくらい腕の筋肉が痛い。

「旅」

旅おわり おもふはつぎの 旅ばかり
 
8月17日(火)晴れ
最終日もまずは自転車でモーニングを食べに行った。その足で「辻和金網」で買い物。お店のおじさんと話しこんでしまった。



ホテルへ戻る帰り道に鴨川の河川敷を走った。なんと心地よい風、まぶしい川面、実に爽快極まりない。完全に自転車の魅力にはまってしまった。次回の京都でも借りることは間違いない。

(動画 : 鴨川の風

それにしても京都ほど地理を覚えやすい町はない。姫と来た4回だけで大よその地理感はつかめた。
まず鴨川がまっすぐ北から南に流れていることが大いに助かる。上流は二つの川が合流しているが、そのYの字のまたのところに下鴨神社がある。そして鴨川の西に大きくデンと構えるのが京都御所。ここを中心と考える。道路はまず東西に走る大きな道には北から一条、二条という文字がつき、それが九条まである。八条のところに京都駅がある。これに堀川通り、烏丸通り、河原町通りなどの南北に走る大きな道をいくつか覚えておけば、東西南北の感覚がきっちりつかめる。この辺はさすがに平安京のきれいな町割りの名残でわかりやすくできてる。
京都駅の北側、七条通り沿いに西本願寺と東本願寺が互いを牽制するように威圧的に並んでいる。二条通り沿いには二条城。こういった中心部の大きな建物をいくつか覚えておくと便利。
そして東側の山沿いのエリアに、見るべき社寺がズラリと並ぶ。北から順に主なものだけでも、銀閣寺、南禅寺、知恩院、八坂神社、高台寺、清水寺・・・。
北では上賀茂神社を記憶すべし。そして西北が嵐山方面。渡月橋や太秦、大覚寺などがこのあたり。渡月橋が架かっているのが桂川で、これが京都の西側を北西の方角から斜めに流れている。これも一つの目安になる。
南は京都駅を基準にして、まず東寺と東福寺。さらに下って伏見稲荷。もっとずっと下っていくと伏見桃山秀吉の世界へと続いてきりがない。
斜めに走る道とか、徐々にカーブしていつのまにか方角が変わっている道というのがあまりないので覚えやすい。あとはどんな手段で移動するかだ。バスもよし。電車地下鉄もよし。はたまたMKタクシーもよし。人力車という手もある。オススメは自転車か。

チェックアウトの後は姫は買い物へ、ワシは荷物を預けに京都駅に移動。そして毎度お馴染み錦市場で合流して買物。



お昼は「鳥新」で親子丼。この京都シリーズの一回目の最初の食事で親子丼を食べて以来、なぜか親子丼を食べることが恒例になってしまった。同じ親子丼といっても各店個性があって面白い。ワシもそろそろ作れるようにならないとまた姫にせっつかれるな。

今回最後のメニューは急に決めた東寺。あの京都の象徴たる五重塔を間近に見てきた。その堂々たる存在感の前ではしみじみ自分というものの小ささを感じた。新幹線で京都を通過する時には必ず見るこの五重塔。いつかはじっくり見たいと思っていたので念願かなった。やはりこれを見ないと京都を知っていることにはならないだろうな。



全てのメニューを消化したところで京都駅へ。そして高速バスで伊丹空港へ移動し、空路福岡に戻ってきた。

今回は真夏の京都の酷暑をまともに体感したが、自転車という便利なもののおかげで予想を超える楽しさになった。
大量の汗を流した徒然なる京都はこれにておしまい。体重減ったかも?

「一興」

京にいて 京を楽しむ これ一興

京はなれ 京をおもふも また一興

8月16日(月)晴れ
二日目も酷暑!名にし負う京都の暑さは覚悟の上。負けずに遊ぶべし!

朝飯はホテルの自転車を借りて、カフェ「進々堂」へ。この時なにげに借りた自転車だったが、その楽しさと便利さに開眼!モーニングを食べながら今日は夕方まで自転車で移動しようと決めた。そこで姫ははしゃぎ過ぎて持っていた自転車の鍵を隣の席まで飛ばしてしまい、隣のおばちゃんビックリ。旅の恥はかき捨て。



今回の旅のテーマ「徒然なる京都」は今日の午前中のスケジュールに組み込んでいる。
というわけでまずは清水寺。

第四十七段
或人、清水へ参りけるに、老いたる尼の行き連れたりけるが、道すがら、「くさめくさめ」と言ひもて行きければ、「尼御前、何事をかくはのたまふぞ」と問ひけれども、応へもせず、なほ言ひ止まざりけるを、度々問はれて、うち腹立ちて「やゝ。鼻ひたる時、かくまじなはねば死ぬるなりと申せば、養君の、比叡山に児にておはしますが、たゞ今もや鼻ひ給はんと思へば、かく申すぞかし」と言ひけり。
有り難き志なりけんかし。


高校の修学旅行以来という清水寺。あの時も真夏で、とにかく暑くて早く帰りたいと思った記憶しか残っていない。旅というのは目的地に対する思いが伴わないとただ疲れるだけ。だが今回は思いは十分。婆さんが「くさめくさめ」とつぶやいたのはこのあたりかと思いながら坂を登った。
坂を登りきると意外にあっさり舞台に出ることができる。京都の中心部を見下ろすその絶景にはさすがに言葉を失う。舞台はかなりの高さがあるが、江戸時代には実際に飛び下りたバカもかなりいたらしい。
いわゆるベタな京都観光のポイントだが、やはりここは来るべきだ。京都に来たんだなぁという実感が湧くのは必定。



今回、清水寺に来た理由は徒然草がらみだけではない。成就院の「中島潔 奉納襖絵展」を見るためでもある。これは、いつだったかNHKの「クローズアップ現代」で中島潔の襖絵が特集されたのをたまたま姫と二人で見て、絶対に見に行こう!と決めていたのだ。実際に襖絵を間近に見た時はあまりの感動に鳥肌が立った。その躍動感は襖から飛び出さんばかりだった。中でも番組で取り上げられた金子みすずの詩「大漁」を描いたものは圧倒的な迫力だった。大量の鰯が動いて見えた。そこには力強さと悲しみがあった。立ち去りがたい素晴らしさだった。
この成就院は庭も素晴らしいのでそれもたっぷり鑑賞させてもらった。庭の向こうに続く借景の高台山のほうから涼しい風が蝉時雨とともに降りて来るのが心地よかった。あぁワシは今、真夏の京都にいるんだなと感じた。

清水寺を出た後は二年坂の「かさぎや」で氷休憩。暑いから本当に身体蘇る思いだ。「悪党も 素通りできぬ 二年坂」か。全くだな。

ここから再び自転車で移動。ちなみに自転車は観光用の駐車場で預かってくれたので助かった。自転車はとても歩けない距離も行動範囲に入れることができるし、交通機関のような待ち時間もゼロ。こんな便利なものはない。

徒然草ゆかりの地、お次は六道珍皇寺。

第七段
あだし野の露消ゆる時なく、鳥部山の煙立ち去らでのみ住み果つる習ひならば、いかにもののあはれもなからん。世は定めなきこそいみじけれ。
命あるものを見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふの夕べを待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。つくづくと一年を暮すほどだにも、こよなうのどけしや。飽かず、惜しと思はば、千年を過すとも、一夜の夢の心地こそせめ。住み果てぬ世にみにくき姿を待ち得て、何かはせん。命長ければ辱多し。長くとも、四十に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ。
そのほど過ぎぬれば、かたちを恥づる心もなく、人に出ヰで交らはん事を思ひ、夕べの陽に子孫を愛して、さかゆく末を見んまでの命をあらまし、ひたすら世を貪る心のみ深く、もののあはれも知らずなりゆくなん、あさましき。


徒然草は世の無常を記述したくだりが多いが、最も心つかまれるのはこの段。化野も鳥辺山も昔の京都の葬送地。人は誰しもいづれは化野の露か鳥辺山の煙になる。短い現世で何を右往左往しているのかと。ここでいう鳥辺山(鳥辺野)というのが今日午前中にまわるエリア。かつては白骨が転がる寂しい野も今では世界中から客を呼ぶ一大観光地だ。これこそ無常か。
鳥辺野の葬送地への入口にあったのが六道珍皇寺。このあたりはいわゆる六道の辻といわれ、冥土への入口とされていた。小野篁は冥界とこの世を自由に行き来していたという伝説があるが、このお寺にある井戸がその入口で、化野にあった福生寺という寺の井戸が出口だったらしい。冥界を自由に旅するなんて不思議だがロマンのある話だ。

続いて六波羅蜜寺。

第百五十三段
為兼大納言入道、召し捕られて、武士どもうち囲みて、六波羅へ率て行きければ、資朝卿、一条わたりにてこれを見て、「あな羨まし。世にあらん思い出、かくこそあらまほしけれ」とぞ言はれける。


踊り念仏の空也上人で有名なこのお寺はかつてこの周辺にあった六波羅探題の時代の名残を感じさせる唯一の寺。
このお寺がまた面白い。四季を通して様々な行事があるが、夏に行われる万燈会では蝋燭を大の字に並べて火を燈す。これは五大本不生の祈願というそうだがなんと空也上人以来の伝統行事らしい。この行事によって迎えられた精霊は、あの山に点火する五大の送り火によって送られるらしい。京都はこの送り火を境に夏が終わって秋を迎えるそうだ。
ここでは有名な空也上人立像や平清盛坐像なども見ることが出来て収穫は多かった。



予定ではこの後昼食だったが、自転車による移動でかなり時間を余らせることができたので、すぐ近くの建仁寺に寄ることにした。ここは全く予備知識なく訪れたが、たまたま小泉淳作画伯の筆による「双龍図」が公開期間中で見ることができた。その迫力の前に又しても言葉なし。寺の庭も美しく、予想外の感動を得ることができて嬉しかった。





昼食は「半兵衛麩」で麩料理三昧。全くなぁ。贅沢な食事だ。様々な麩料理を楽しめて幸せこの上なし。

午後は姫の買い物タイム。ここでまた姫の本領発揮。箸のお店で一桁間違えて1万円を越す箸を買おうとし、お店の人に何度もこれですか?これでいいんですか?と確認されても「はい。こういうのが欲しかったんで」とまだ気付いてない。値札を見なおしてやっと気付いた。旅の恥はかきすて。

いろんな店を自転車でまわって、韓国カフェでお茶タイム。その後も数軒冷やかした後、一時ホテルへ戻って休憩。

夕方、元気を回復したところで再び活動開始。まずはホテル近くのうどん屋でカレーうどんを食べた。ここはたまたまフラッと入った店だったが、なんとカレーうどん絶品の店として有名な店だった。実際に食べてみたがそのうまさに又しても感動。おそらくこんなにうまいカレーうどんには福岡では出会えないだろう。予想外の喜びってのはいいもんだ。

腹ができたところで地下鉄に乗って北大路まで移動。鴨川の河原の土手で大文字焼きの点火を待った。あの京都の夏を象徴する五大の送り火が見れるということで点火前からかなりテンションは上がっていたが、いざ火がついて大の字に山が燃え始めると感動が全身を走った。あぁこれぞ京都の夏だ。来てよかったとしみじみ思った。あの火は彼岸へ戻る精霊を送ると同時に、京都の夏も送る。眺めているとワシの中の夏も幕を閉じたような気がした。



(動画 : 大文字焼き

「送り火」

送り火の 消えて終わるか 京の夏

8月15日(日)晴れ
さて、今日から二泊三日の京都の旅。「12ヶ月全ての京都を楽しむ」シリーズの第四回。今回のテーマは春に「徒然草」の原書を読んだのでそのゆかりの地を訪ねるべく「徒然なる京都」。兼好法師の見た京都に思いを馳せようではないかという趣向。もっともこのテーマに心躍るのはワシだけだが。

今回は空の便を利用。伊丹空港からバスで京都駅へ。市バスに乗り換えてランチの店「ケサコ」へ。
今回はランチで贅沢しようということで姫が選んだ店だが、いきなり京都のハイレベルな食文化の一端を見せられた。料理もホスピタリティーも福岡の飲食店に手本として示したくなる素晴らしさだった。
どうもやはり根本的な何かが違うと思わざるを得ない。半端な仕事では生き残れない厳しい環境が果てしなく店を育てるんだろうな。福岡の客はもっと厳しい評価を下すべきだ。

ホテルに荷物を置いて一息ついたあとは下加茂神社の糺の森へ。たまたま古本市をやってたのでぶらついてみたら、掘り出し物発見!斎藤緑雨とシュテフター。どちらもあまり本屋で出会わないので迷わず買った。シュテフターに至っては復刊本だった。かなり貴重なものかもしれない。



夕食前にまたホテルに戻って小休止。さすがに真夏の京都を歩くと体力の消耗は激しい。休憩は必要だ。

夕食は老舗も老舗、なんと応任の乱の前の年から営業しているという「尾張屋」でそばを食べた。そのあまりに長い歴史にはどんだけ老舗かよと突っ込みたくなるが、それに恥じない美味はさすがに素晴らしい。大満足。

暗くなったら二条城へ移動。ライトアップされた二条城を無料で見れた。そしてそのまま前を流れる川沿いに飾られた七夕の様々なイルミネーションを見て歩いた。「京の七夕」というイベントの一環らしい。その美しさにうっとりしたかったんだが、とにかくすごい人!立ち止まるなということだったのでろくな写真が撮れなかったのはちょっと残念。
だがいい夏の夜の思い出になった。






(動画 : 京の七夕

「京都」

暑くとも 品(しな)を崩さぬ 京都(みやこ)かな

8月14日(土)晴れ
今日は予定がないので家で一人でのんびり。宅建の勉強したり、映画見たり。夕方は芝刈り。

明日から京都だ。夏の旅行の準備は簡単でいいから楽だ。京都はきっと暑いよな。でもそれを体感しないと、「12ヶ月全ての京都を楽しむ」ことにはならんからな。しっかり真夏の京都を体験して来よう。

思えば世の中お盆だ。対馬はいいお盆を迎えているだろうか。

「迎え火」

松明の 迎え火 いづこにも見えず

8月13日(金)曇り
萌ちゃんがそろそろ大学の志望校を決めるということで、友達のあやちゃんと大学の見学に来た。姉と親父もついてきたので4人を連れてワシは大学見学ツアーのツアコン役。

最初に向ったのは「純真女子短期大学」。萌ちゃんがかつてピアノのレッスンを受けたことがある先生がここにお勤めで、今回わざわざ案内して頂いた。学内や寮を案内して頂いたがえらく行き届いた設備には驚いた。萌ちゃんとあやちゃんも「ここがいい〜」と快適な環境に惹かれていた。
ここは福岡で一番高い場所にある建物らしく、福岡のどこからでも見えるらしい。確かに上の階からの見晴らしは素晴らしかった。
実はこの大学、祖父が一時期勤めていた。その頃にワシも遊びに来たことがある。はるか35年ぐらい前の話だ。当時の面影はどこにも見当たらなかった。もっとも記憶も曖昧だが。

次は我が母校「西南学院大学」。こっちは完全にお休みで誰もいないので勝手にキャンパスをぶらぶらと歩いた。懐かしき我が母校。相変わらず狭いやね。かつての赤レンガや古いチャペルはもう姿を消しているので西南を象徴するものがなくなってしまった。以前はあんな立派な図書館はなかったし、そうやってだんだん変わっていくんだろうな。
高校生二人は写真を撮ってはしゃいでいた。「西南で写真撮ったけ、満足した!」と言ってた。頑張って受けるつもりはないらしい。


昼食に「志成」のうどんを食べさせ、午後から「九州大学」と「福岡大学」を見せようと思っていたのに、萌ちゃんの天の一言、「もういい」によって計画変更。急遽、マリノアシティに遊びに行くことになった。なんじゃそりゃ。
買物となると急に元気になる二人。楽しそうにしていたからまぁいいかと。

夜は「黄華園」の焼肉を食べさせてワシのお役目は終了。一日たっぷり付き合うのも疲れるけど、結構楽しかった。
福岡の大学に来てくれたらうまい店に連れてってやるんだが。

「ショック」

あやちゃんの ママの年齢 ワシよりも
若いと知って ショック隠せず



(おまけ)
あやちゃんはキャナルで買物した時、お店の人からどんなカードを持っているかと訊かれて、「島民カード*」と答えたらしい。お店の人バカうけ。
(*正しくは「島民航空カード」。対馬島民であることを証明するもので、飛行機代が安くなる。)
8月11日(水)台風
この夏、初めての台風。それにしても台風来なくなったな。ここ数年はまともに来るのは1つくらいだろう。それもそれていくことが多い。被害が出ないからそのほうがいいが、これもいわゆる温暖化の影響だと思うとあまり喜べないものがある。

雨も風も強い中、飯塚のお客さんをまわった。「日栄」さんから帰ろうとしたら八木山峠がまたしても通行止め。今回は「土砂崩れの危険性があるから」とのこと。しょうがないからぐるっとまわってバイパスへ。

心なしか今日は疲れた。でも筋トレの日だからもうひと頑張り。また姫が「一緒にするぅ」というので向かい合ってストレッチ。今回はトレーニング中のなぜなぜ坊やを予め禁止しておいたが、それでも何かしら笑わせる。腕立て伏せはまだ1回もできない。しょーがねーなー。

「台風」

台風も かつては夏の 風物詩
蝋燭に集う 家族の姿

蔵 
8月9日(月)晴れのち曇り

毎年恒例の「雷山千如寺」さんの「千日観音祭」。すっかりワシにとっては夏を象徴する行事になってしまった。この日を境にワシの夏は後半戦に入る。そして徐々に秋へと近づいていくのだ。
今日のお客さんをまわり終えた後、5時半くらいに到着。お手伝いに来ている他のお寺の和尚さんたちにまじって、用意してあった軽い夕食を頂いた。一大行事なので手伝いに来ている和尚さんたちの数は多い。まだ若い和尚さんたちが多く、その会話を聞いていると実に面白い。いつも笑わせてもらう。

最近はこの日に法要以外の何らかのイベントがプラスされるようになった。今回はオカリナ奏者荒木あつ子さんの演奏と、昭和20年の「福岡大空襲」の際の雷山村の悲劇をテーマにした紙芝居があった。どちらも荘厳な雰囲気の中で観賞したからか、深く心に染みた。仕事を忘れそうになった。

昭和20年6月19日の「福岡大空襲」は1,000人以上の死者・行方不明者を出した大惨事として有名だが、実はこの時雷山村も空襲を受けて8名が亡くなっている。大きな軍事施設があるわけでもなく、なんら軍事色のない静かな村をなぜ空襲する必要があったのか?大きなため池が月明かりに光って滑走路に見えたのでは?背振の影を博多湾の海岸線と見間違えて早く投下しすぎたのでは?など諸説あるが、いづれにしろ爆撃した側の何らかの錯誤であろうとは思う。小さな小さな村を爆撃してなんの意味があろう?
この悲劇を地元で語り継ごうという活動の一つが今回の紙芝居だった。こういったささやかな活動が小さい魂の中にさざなみを起こし、やがては次の世代の社会を浄化する大きな力となるのだろうと思う。





法要が終わった後、千の灯火による幻想的な光景をPENTAXで撮影しようと頑張ったが、いかんせん腕がついていかない。まだまだ修行が必要だ。
あぁ夏が通り過ぎるのを感じる。徐々に遠ざかる後姿はいつもどこか寂しげだ。どうして夏だけは役目を終える時に寂寞を残すのだろう?



フィルター(ソフト)をかけてみた。思い出の夏って感じにしたかったんだがイマイチだな。

「千灯明」

それぞれの 祈りはゆれて 千灯明
 

8月8日(日)晴れ
暑いのぉ。暑いけど夕方からまた庭仕事したら滝のように汗がでた。庭もだいぶきれいになった。
基本的にちょっとずつ仕事をすすめて気付いたらたくさん結果が出てる、というのが好き。ちょっとずつ読んで全集読破とか、ちょっとずつ書いて長編小説完成とか、毎日ストレッチして身体が柔らかくなったりとか。庭も一挙にやらないでちょっとずつ。だが夏はそうもいかない。一通り終わったかなと思う頃には最初にやったところがまた芝が伸びたり草が生えたりしている。うぅ〜・・・いたちごっこか。賽の河原か。ちくしょーめ。雑草の不屈の闘志には叶わない。

今夜は留守番なので自分で何か作ろうと野菜チェックするとなすとニラと玉ねぎしかない。さてどうする?冷凍庫にちょっとだけミンチがあったので、なすの味噌炒めとニラ玉を作ることにした。あとは残り物のかぼちゃの煮つけと自家製明太子。
麦焼酎の水割りを飲みながら作ったものを食べてると・・・・・・あれ?なすの味噌炒めが妙にうまい。あれ?なんで?いつものようにいい加減に作ったのでおいしくなってるとはさらさら思わなかった。ここで必死に記憶をたどる。えーっと、何をどうしたっけ?どんな味付けしたっけ?次回もこの味を再現しようと必死に思い出すが・・・・・・そして幻の味となる。

「熱帯化」
 
日に一度 激しき降りを 見ておもふ
これぞ日本の 熱帯化なり
 
8月7日(土)晴れ
筋トレの後に関節が痛むことが数回あったので、もしかしてやり方を間違っているのか?と思いネットで調べてたら面白いサイトを見つけた。

総合フィットネス講座

これを見て以来、全くもって目からウロコ。自分がいかに効率悪く、しかも危険な筋トレをしていたかを実感した。最近はこのサイトの指示通りにやって顕著に効果が出ている。お金も時間もかけずにしっかりと効果を得ることができるなんて、こんないいことはない。
このサイトで主張しているのはとにかくスクワットの重要性だ。ゆっくりスクワットをやることで全身のあらゆる筋肉を同時に鍛えることができる。この話を姫にしたら「一緒にやる!」と言い出したので今日も夜にお互い向かいあってスクワットをやった。

ワシ:「ダイエットでやるなら腕は前に組んだ状態で」
姫:「こう?」
ワシ:「そうそう」
姫:「ゆっくりするちゃろ?」
ワシ:「下がるのに5秒、上げるのに5秒ね」
姫:「呼吸は?」
ワシ:「下げるときに吸う。上げるときに吐く」
姫:「わかった」
ワシ:「じゃ一緒にするよ。はい、1回目」
姫:「スー、ハー」
ワシ:「はい、2回目」
姫:「スー、ハー」
ワシ:「結構きくやろ?これをワシは15回2セット。あなたは20回1セット」
姫:なんで?
ワシ:「ぷぷ!・・・・・・知らんがな・・・・・・力抜けるやないか(笑)」
姫:「ぷぷぷぷぷぷ!」
ワシ:「そう書いてあるんやからそうすればいいと!(笑)」

恐るべしなぜなぜ坊や!まさかここで出現するとは思わなかった。余計に負荷がかかった。
ちなみにこの後、通常よりも負荷のかかる腕立て伏せのやり方を教えてやらせてみたら、「ふぅぅぅ〜んん〜」と反芻する牛のような動物的な鼻息を出して1回も上げれずにつぶれてしまった。ちと鍛えなおさないかんな。

「なぜなぜ坊や」

逃れ得ぬ なぜなぜ坊や 十七年
 
8月6日(金)晴れ
言わずとしれた8月6日。広島のことを忘れずに生きていこうではないか。それがワシら子孫のせめてもの義務だ。

今日は帰宅してから姫に「あり吉」で飲み会があるから行こうと誘われてのこのこと出かけて行った。「ベジキッチン」のゴトー先生他全部で5人で「あり吉」の美味を堪能した。
あり吉」の大将の仕事っぷりを見てると、この人は人物だなぁとしみじみ思う。お客さんに冗談飛ばしながらも手先の集中力が途切れていない。常に全方位に注意を配り、かつ心に余裕を維持したまま次の展開を読んでいる。己には気合を。客には優しさを。実に素晴らしい。こういう人は結局何をやらせても成功するタイプだと思う。いい職人の仕事を見せてもらった。それだけでもお金を払う価値あり。



「気合」
 
塩にぎり 味の向こうの 気合かな
 
8月4日(水)晴れ
今日の最後は「ブライダルミュージアム ビッビ」さんを訪問。ワシのデジカメに関する師匠のおっちゃんチーフに、普段疑問に思ってることをいろいろと質問した。チーフは忙しいのに丁寧に教えてくれてかなり勉強になった。やっぱり人に習うのが一番効率的だ。カメラももっとうまくなりたいやねぇ。
カメラ、筋トレ、登山、小説、漢詩、不動産、スカッシュ、マラソン、料理、車、政治経済、宗教・・・思えばいろんなことをいろんな人にタダで習ってるわけだから感謝すべきだな。出会いは無限大の恵みを呼ぶものだ。

「師匠」
 
浮世にて 己以外は みな師匠
 
8月3日(火)晴れ


http://www.youtube.com/watch?v=6NRgEiHVt-g

スカッシュチーム リバティ」さんの練習風景を撮影に行った。上がその動画。前から撮影してるのにワシのほうに飛んでこないようにしてくれてる。さすがうまいもんだ。でも打つ勢いが強いから結構怖いんだな。

「リバティ コート」ではどなたでもスカッシュの練習ができますよ!初心者の方にはイケメンコーチ矢野さんが優しく丁寧に指導してくれます。
お問合せはこちら

 


「やりたいこと」
 
二人旅 スカッシュ 自転車 ペンタックス
やりたいことは 泉のごとく
 
8月2日(月)晴れ


今日もまた暑い。今年は容赦ないな。だがまぁ夏らしいといえば夏らしい。

今朝は「中国鍼灸院」の呉先生に、「50%の力でことにあたる」ということを習った。100%の力を出すと不測の事態に対応できない。未来の不確定要素を常に考慮に入れて、何事も50%の余力を残して取り組むという考え方。体力にも精神状態にも常に余力を残しておけば、予想外のことにも落ち着いて対応できるというわけだ。実に理にかなっている。
つまりはこうも言えるな。頑張りすぎるということは頑張らないことに一致すると。頑張り過ぎて疲れ果てて頑張れなくなれば全く意味がない。陰が極まれば陽に変じ、陽が極まれば陰に変ずだ。いいこと習ったな。

ル・シュクル」さんにケーキの撮影に行ったが、うきはも朝倉も暴力的に暑かった。
今日は「シトロン」を食べてきた。なんだかもう詩的にうまいね。もはやケーキではなく食べる芸術だ。
 
「あさくらの夏」
 
猛暑なり あさくらの野は 夢の中
 
8月1日(日)晴れ


マツノデザイン店舗建築」さんでの会話。

社長:「最近ね、娘が習い事始めたけんね、俺送ってやらないけんとよ」
ワシ:「何を習ってるんですか?」
社長:「あれよ、あれ。え〜っと・・・ほら・・・」
ワシ:「?」
社長:「こんなのよ」
 ここで社長はクネクネと踊り始めた。
ワシ:「フラダンス?」
社長:「違う」
ワシ:「フラメンコ?」
社長:「違うけどそんな感じの・・・」
ワシ:「・・・なんでしょう?」
社長:「あ!ベリーよ、ベリー」
ワシ:「へー」
社長:「あれ、ダイエットにいいらしいよ。ところで今日はね、イラストレーターを習うよ」
ワシ:「私、イラストレーターはあんまり知らんですよ」
社長:「え?そうなの?でもここにテキストあるけん、この通りにやっていけばなんとかなるやろ」
ワシ:「あ、なるほど。じゃぁ最初から行きましょうか。まずは移動の仕方から」
社長:「まずどこを押すと?」
ワシ:「ここをクリックして、ドラッグすれば動きますよ」
社長:「お!動いた。オーケー、オーケー、オーケー牧場」
ワシ:「始まった(笑)」
社長:「おぉけぇぇ〜♪くれ〜♪おぉけぇぇ〜♪くれ〜♪」
ワシ:「しゃちょー、それ、オーケーコラルですよ」
社長:「え?コラルて言いよると?俺、くれーて言いよるか思うとった」
ワシ:「次はコピーですね。そして線を引いて、色を塗る・・・しゃちょー?」
 しゃちょーは勝手にどんどん絵を描き始めた。
ワシ:「・・・独自の世界に入りましたね?」
社長:「ぐふ。ぐふふふふ」
ワシ:「お?なんかシュールな絵になってきましたね。ミロかピカソみたいですね」
社長:「ぐふふふふ」

そして出来たのがこれ↓



なにか天才的なものを感じるのはワシだけだろうか?どこかゲルニカを彷彿とさせる。

「才能」

才能は 苦労の橋を 飛び越えて