昔は親不孝通り、今は親富孝通り。バブルの頃はこの通りは人でごった返してました。予備校生、大学生、若い社会人で週末は歩くのも大変なほどでした。あれからご存知の通り日本の経済は一気に下降を続け、週末の混雑はすっかり昔の話になりました。景気が悪くなると店舗の入替りは頻繁です。栄枯盛衰、いろんなお店が生まれては消えていきました。ところがここで長年に渡って微動だにしない名店があるのです。それがこの親富孝通りの顔と言っても過言ではない「晴れたり曇ったり」です。初老の域に達しつつあるえしぇ蔵が学生の頃には既に営業していましたからかなり長く頑張ってます。いわゆる居酒屋メニューが揃っていますが、中でも魚の新鮮さは特筆に値します。県外の人にはまさに博多の魚のうまさをストレートに伝えることができます。それから鍋物も外せません。そしてえしぇ蔵の個人的な意見としては、店内のあちこちにある女将さんが描いた絵がなんともツボにはまります。シュールレアリズムの美術館に並べても全く遜色ないような素晴らしい絵や文字はこれを見にくるだけでも価値があります。書かれているセリフもまた文学的で心に沁みるものがあります。芸術と文学に囲まれて新鮮な魚をつまみに酒を飲むというひと時はなかなか他では得られないものです。こういう他とは違う魅力があるからこそ景気に左右されず長年営業できるのでしょうね。ちなみにすぐ近くにある「洗濯船」、博多駅筑紫口からすぐのところにある「目から太陽」も同じ系列です。
(えしぇ蔵)
福岡市中央区舞鶴1-8-38
092-712-4184