老舗という言葉の語源をご存知でしょうか?もともとは「仕似せる」という言葉からきています。先代の仕事を真似て受け継いでいくという意味です。それを経験を積んだお店という意味の「老舗」を当て字にしてできた言葉だそうです。一般に老舗と呼ばれるお店はそれだけで既に背負っているものが重いということで、えしぇ蔵はその看板に敬意を持たずにはおれません。伝統の技、味というものを先代と同じように修得して次代に伝えるということは大変な苦労です。自らその苦労の中に人生を捧げ、受け継いだ看板を守ることはそのお店だけのことではなく、かつての良き日本を守ることでもあると思います。このお店は久留米の同じ場所で明治11年に創業し、その味を受け継いで現在は5代目になるそうです。和菓子一筋に生きてきた5代に渡る人々の努力の結晶がおいしくないなんていうことはありえません。どの商品も自ずとその味の向こうに深みを感じます。味を誉めるなどおこがましい話で、まさに賞賛すべき逸品ばかりです。飴湯の『五穀』などの昔ながらの商品はもちろん、5代目考案のブルーベリーどら焼きなどの新しい商品もお勧めです。これからも何代も続いて、次代以降の人々もこの久留米の銘菓を味わうことができればいいなと思います。
(えしぇ蔵)
久留米市南薫町1615
0942-33-1661